次世代救急医療体制の構築を目指す、TXP Medical(後編)

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COVID-19情報共有システムの提供、現場で活用できる医療データによる支援

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(出所:TXP Medical株式会社)

TXP Medicalは製品開発やサービスの提供だけではなく、学術研究部門としてTXP Researchを擁する、世界でも稀な研究体制を敷いています。
「救急医療に貢献し、世の中を変える」という思いをもとに、全国から学生や医師達が集まって臨床研究を行い、学会発表・研究論文発表を通じて、学術的にも貢献しています。そして、発表をゴールとするのではなく、その知見を現場でどのように医療を変えていくか?を常に意識し、研究成果をもとに活動しています。

TXP Researchのミッションとして次の3つが掲げられています。

  1. 質の高いデータが自然に集まるシステムと研究環境を構築し、臨床研究を継続的に行ない、学術界に貢献する
  2. データを用いた研究のみではなく、得られた知見はプロダクトを通じて社会実装し、医療における価値を科学的に評価する
  3. 疫学・統計学・AI(機械学習・自然言語処理)を学び、世界で活躍できるチームを作ることで、臨床研究のネットワークを構築する

TXP Researchは2020年に立ち上げを行い、医師を10数名含むチームとなっています。海外との多施設共同研究・ランダム化比較試験・ビッグデータ解析などの研究実績がある指導者に加えて、疫学・数理統計・機械学習に詳しいメンバーのサポートのもと、学術研究やTXP Medicalだからこそ可能な研究に取り組んでいます。また定期的に学ぶ場を提供し、データベースを解析するだけでなく、プロダクト開発や多施設共同観察研究、ランダム化比較試験などを支援し、その結果を社会に還元するための活動を行っています。

現在新型コロナウイルス第5波がまさに到来していますが、COVID-19診療を行っている医師の立場としては、感染者数以上に、重症者数の推移に注目しています。そんな現場の医師が見ているCRISISと呼ばれるCOVID-19重症患者データベースがあります。
https://crisis.ecmonet.jp/
こちらのサイトは日本COVID-19対策ECMO net(代表竹田晋浩Dr)が運営し、TXP Medical株式会社と株式会社ジュッポーワークスが設計と開発を手掛けています。国内の集中治療室のCOVID-19感染でのECMO装着患者のおよそ95%以上(推定)、人工呼吸器患者の80%以上(推定)をカバーしています。数日以内の遅延で全国のCOVID-19重症患者状況をリアルタイムに見える化しているサイトです。

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当院でも実際に、昨年2月頃よりコロナ患者の受け入れを行っており、このサイトを日々確認しながら、また目の前の軽症~重症までの様々なコロナ患者に向き合いながら診療にあたってきました。引き続き有用なサイトとして活用していきたいと思います。

現場のニーズを正確に把握できる救急医を中心としたTXP Medicalが医療データとICTを用いることで様々な変革をもたらそうとしています。既に複数の医療機関で活用されるとともに、リサーチも多数行われており、今後の試みにも注目ですね。

(了)


【出典】

この原稿の執筆に際し、掲載企業からの謝礼は受けとっていません。


株式会社シーエムプラス「LSMIP」から許諾を得て転載する。
次世代救急医療体制の構築を目指す、TXP Medical(後編) | LSMIP

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この記事を書いた人

呼吸器内科の勤務医として喘息やCOPD、肺がんから感染症まで地域の基幹病院で幅広く診療している。最近は、医師の働き方改革という名ばかりの施策に不安を抱え、多様化する医師のキャリア形成に関する発信と活動を行っている。また、運営側として関わる一般社団法人 正しい知識を広める会の医師200名と連携しながら、臨床現場の知見や課題感を生かしてヘルスケアビジネスに取り組んでいる。

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