医者ならではの視点で最適なタイミングでヘルスケアを届ける、フリクシー(前編)

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「メルプWEB問診」と「メルプAI受診相談」が解決する医療現場の課題

今回の、臨床医が紹介する日本のスタートアップ技術(第14回)は、フリクシー社が提供している医療機関向け「メルプWEB問診」や一般ユーザー向け「メルプAI受診相談」についてご紹介します。

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フリクシーが提供するサービス 
(出所:株式会社flixy)

皆さんはフリクシーという企業名よりもメルプの方が良く耳にするのではないでしょうか。メルプWEB問診はこれまで1000以上の医療機関で導入されている、すべての電子カルテに連携できるWEB問診システムです。

現在は電子カルテシステムが導入されている医療機関が多いかと思いますが、実際の診療では、初診といって初めて来院した患者さんには通常紙の問診表が手渡されます。その後診察前にその紙に書かれた問診票の内容を見て、必要に応じて電子カルテに入力する、といったことが頻繁にあります。紙の問診表を電子カルテにスキャンされることもありますが、結局はそこから重要情報をカルテに記載しなおしたり、問診が不十分であることも多いため診察時に再度同じことを聞いたり、というような手間も経験します。

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WEB問診システムと電子カルテの連携 
(出所:株式会社flixy_メルプWEB問診)

1時間待って3分診療と揶揄されるように、なかなか診察時間に患者さんのお話を聞いたり、診察したりという時間にあてられないのは、カルテ記載に時間がかかってしまうのもひとつの理由です。

メルプWEB問診を利用することで、問診票の内容がそのままスムーズにカルテに取り込まれていると時間短縮につながり、患者さんのお話をじっくり聞いて、診察に時間をかけることが可能になります。結果的には患者満足度向上にも繋がります。

フリクシーではメルプAI受診相談サービスも展開しています。以前紹介したUbie社の記事でもAI受診相談をご紹介していますが、フリクシーでも医師目線のQAで診療科と受診のタイミングがわかるサービスを提供しています。患者さんの症状についてチャットで1分ほど質問し、診療科と緊急度を表示し、受診のタイミングを教えてくれます。メルプのかわいいマスコットも親しみやすいですね。

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メルプAI受診相談サービスの画面例 
(出所:株式会社flixy_メルプAI受診相談)

さて前編ではフリクシーの基礎となるメルプWEB問診とメルプAI受診相談サービスを中心にご紹介しました。代表の吉永先生は、医師として診療にあたる上で感じた課題について、ご自身でサービスを展開することで解決しており、その行動力に同じ医師として尊敬します。

我々医師も医療の現場で感じる課題や不満を周囲に愚痴るのではなく、何か行動を起こし、解決できるようなアクションへ移すことを肝に銘じたいですね。

次回は、フリクシーの新しいサービスである、医師向け薬剤アプリ「イシヤク」を紹介します。

(次回に続く)


【出典】

この原稿の執筆に際し、掲載企業からの謝礼は受けとっていません。


株式会社シーエムプラス「LSMIP」から許諾を得て転載する。
医者ならではの視点で最適なタイミングでヘルスケアを届ける、フリクシー(前編) | LSMIP

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この記事を書いた人

呼吸器内科の勤務医とライター、ヘルスケアビジネスに取り組んでいる。多様化する医師のキャリア形成とそれを実現するための「複業」に関する発信と活動を行っている。
ヘルスケアに関わる情報発信と人をつなぐことを目的としたメディア「Dr.心拍のヘルスケア最前線」を2024年9月リリース。
肺がんコミュニティや医師キャリアコミュニティを運営。
各種医療メディアで本業知見を生かした企画立案および連載記事の執筆、医療アプリ監修やAI画像診断アドバイザー、また、ヘルステック関連スタートアップ企業に対する事業提案などのコンサル業務を複数行う。
事業を一緒に考えて歩むことを活動目的としている。

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