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COPD患者への酸素療法の自動調整「コスト削減や入院期間短縮にも」 | m3.com AI Lab
呼吸器診療が専門の総合病院で勤務しつつ、ヘルスケアビジネスにも取り組むDr.心拍氏が、医療DXに関わるニュースや論文に率直にコメントします。
対象のニュース
Vygon社が開発する「Free O2」は、医療従事者が設定した酸素飽和度を保持するため、酸素の流量を自動調整することのできるモニタリングデバイスだ。同社は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者におけるこの自動化酸素療法がもたらす影響を検証し、結果を公開している。(後略)
このニュースに着目した理由
呼吸器疾患、特にCOPD患者に対する酸素療法において、酸素飽和度を一定に保つための流量調整は重要である。「流量調整の自動化」は可能そうだが実際には実現されてこなかった。今回、実臨床のニーズに応えられる機能であり、着目した。
私の見解
今回の研究では500人以上のCOPD患者を対象とし、手動モニタリングと比較して最適な酸素飽和度へのコントロールが56%も改善していたという結果であった。興味深いのはコスト削減や入院期間の短縮も得られていることである。こういうデバイスは予算面が大きな課題になるが、導入によってコスト削減や入院期間短縮となれば医療経済的にも広く使用されやすいだろう。
また、COPD患者ではⅡ型呼吸不全を呈する患者も多く、必要最小限の酸素投与が推奨されることからも、手動でのモニタリングよりコントロールが良好であったことは特に評価したい点である。
日常臨床への生かし方
今回の研究では500人以上のCOPD患者を対象とし、手動モニタリングと比較して最適な酸素飽和度へのコントロールが56%も改善していたという結果であった。興味深いのはコスト削減や入院期間の短縮も得られていることである。こういうデバイスは予算面が大きな課題になるが、導入によってコスト削減や入院期間短縮となれば医療経済的にも広く使用されやすいだろう。