煩雑な予防接種スケジュール管理、アプリで解決

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煩雑な予防接種スケジュール管理、アプリで解決――Dr. 呼坂心の「デジタルヘルスUPDATE」(3) | m3.com AI Lab

呼吸器診療が専門の総合病院で勤務しつつ、ヘルスケアビジネスにも取り組むDr.心拍氏を中心とするチームが、日々のデジタルヘルスニュースを解説します。

コロナ禍でオンライン診療の条件が緩和され、以前よりもDX(デジタルトランスフォーメーション)が話題になっています。そんな中、安心・安全・便利な子育て支援を実現する「子育てDX」が注目されています [1] 。

子育てDXとは、乳幼児健診や妊婦健診、小児予防接種、各種申請など、子育てに関わる作業をオンライン化しようという取り組みです。今回はこれら様々な作業の中でも特に煩雑な作業となる「予防接種スケジュールの把握」を取り上げたいと思います。

「そういえば予防接種スケジュールってどこで確認すればいいの?」子育てに携わったことのある方なら、一度は抱いたことのある疑問でしょう。例えば、日本小児科学会のホームページには、学会が推奨する予防接種スケジュールが掲載され、常時アップデートされています [2]。また、「KNOW-VPD!」というサイトもあります。こちらは予防接種スケジュールが小児科学会のものと比較して見やすく、要点が記載されているのでおススメです [3]。

しかし、お子さんが一人であればなんとか把握できるかもしれませんが、お子さんが複数いたり、年子だったりすると、スケジュールが重なって管理が難しくなりますよね。

母子手帳アプリ『母子モ』は、これらの悩みを解決することを目的に作られました[4]。例えば、生後2カ月程度から始まる定期接種のスケジュールを把握したり、忘れないようにアラート機能でサポートしたり、面倒な予防接種ごとの調整も行ってくれます。

また、アプリ内でデジタル予診票をあらかじめ記載したり、接種記録を管理したりすることもできるため、まさに母子手帳の役割を果たしてくれるのです。

この『母子モ』を提供する株式会社エムティーアイは、日々の歩数や体重、食事、血圧など様々なデータを記録・管理するアプリ『CARADA』や医師に相談できるQ&Aサイト『CARADA健康相談』、女性のための健康情報サービスである『LunaLuna』、選手のコンディション管理システムである『Atleta』といった幅広く連携可能なサービスを提供しています [5] 。

体調データ管理や健康相談サービスについては様々な企業が参入しています。しかし、医師の立場で『母子モ』のサービスを見ると、子育て世帯や接種施設、自治体との連携に加えて、上記で紹介した体調データ管理や健康相談サービスにも将来的に繋がるようになることで、これまでに無いより良いアプリになると考えられます。既に普及している『LunaLuna』とあわせて幅広いニーズの中で目的別に特化したサービスがあることは良いことですよね。

【参考】
[1] 母子手帳アプリ『母子モ』、予防接種手続のオンライン化支援サービス開始 | Medical DX
[2] 日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
[3] Know VPD! – ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る
[4] 母子手帳アプリ 母子モ
[5] ヘルスケア事業 | 株式会社エムティーアイ

【著者プロフィール】
Dr.心拍 解析・文 (Twitter: @dr_shinpaku)
https://twitter.com/dr_shinpaku
呼吸器内科の勤務医として喘息やCOPD、肺がんから感染症まで地域の基幹病院で幅広く診療している。最近は、医師の働き方改革という名ばかりの施策に不安を抱え、多様化する医師のキャリア形成に関する発信と活動を行っている。また、運営側として関わる一般社団法人 正しい知識を広める会 の医師200名と連携しながら、臨床現場の知見や課題感を生かしてヘルスケアビジネスに取り組んでいる。
各種医療メディアで本業知見を生かした企画立案および連載記事の執筆を行うだけでなく、医療アプリ監修やAI画像診断アドバイザーも行う。また、ヘルステック関連スタートアップ企業に対する事業提案などのコンサル業務を複数行い、事業を一緒に考えて歩むことを活動目的としている。

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この記事を書いた人

呼吸器内科の勤務医として喘息やCOPD、肺がんから感染症まで地域の基幹病院で幅広く診療している。最近は、医師の働き方改革という名ばかりの施策に不安を抱え、多様化する医師のキャリア形成に関する発信と活動を行っている。また、運営側として関わる一般社団法人 正しい知識を広める会の医師200名と連携しながら、臨床現場の知見や課題感を生かしてヘルスケアビジネスに取り組んでいる。

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